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 「えっ?!」  雅が驚愕する。その事件については聞き覚えがあった。犯人達が仲間割れをして自滅し、遺体はなにかの動物に食い荒らされて酷い状態になっていた、という話だった。  彼女がその時の……。  「遺体の状態について詳細は伏せられているが、強盗殺人犯達の体はバラバラにされていたという。今回のジャーナリスト2人とも似ているな」  「ええっ! まさか関係があるとか言うんじゃないでしょうね?」  それは突飛すぎると感じながらも、雅は声をあげてしまった。  「さすがに今の段階では飛躍しすぎな考えだがね。ただ、2年前のその件を知り、裏に『人ならぬもの』の影を感じたのは確かだ。で、ちょっと気になって北見響希君の事についても調べさせてもらったら、もう一つ奇妙なことが浮かんできたんだ。17年も前のことだが……」  「ちょ、ちょっと待ってください」慌てる雅。「なんかいろいろと話が膨らんでいきますが、今起こっている連続惨殺事件と、彼女、北見響希さんのことがつながっているとか、考えているんですか?」  「まだそうとは言ってないだろう。私も気になっていたとはいえ彼女のことは後まわしにしていて、先日初めて会うまでは忘れていたんだ。ただ、別々の『人ならぬもの』が違う事件を起こしていると考えるより、裏にあるのは同類だと考える方が可能性が感じられないか?」  「そ、そうかもしれませんが……」  北見響希という捜査員の後ろ姿を探すが、既に署内に入っていった後だった。  「まあ、1度整理して考える必要があるな。近いうちに北見君とも話をしたいが……。とりあえず行こう」  織田が歩き出す。不穏な思いを抱きながら、雅は彼に続いた。
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