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 響希は交通捜査課へ戻るとすぐに給湯室へ向かった。  そこでお茶を入れながら、ふと考える。  あの人は、何者なんだろう……?  ついさっき駐車場で出会った女性のことを思い出した。織田警部の連れらしい。  目が合った瞬間、胸の奥まで自然の風が吹いてくるような、不思議な感覚にとらわれた。  綺麗な人だったが、容姿だけではなく、きっと心の中もそうなのだろう。  あの、17年前の出来事の意味を知ってから、相談のためにいろいろな人と会ってきた。その中には、いわゆる霊能者やその関係者などもいた。それぞれインパクトはあったものの、響希の苦悩をわかってくれそうな人はいなかった。  もしかして、あの人なら……。  しかし、首を振ってその思いを追い出す。  警察関係者だろう。たぶん、今の惨殺死体発見事件の捜査をする、刑事だ。私のことは関係ない。  鼓動が高鳴るのを感じたが、お茶を飲みながら宥めていく。  しかし、何かが自分のまわりで動き出しそうな予感がして、なかなか落ち着かない。  なぜ……?
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