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 今回の2件と同じだ。バラバラにされている。両手両足、首が引き千切られたようで、血が抜きとられ……。  背筋に冷たいものがはしり、ゾッとする雅。  「今回の2件連続と前の3件、発生した時期も管轄も違うので、死体の状態が似ているのに関連性についてこれまで考えられてこなかった……と、私はずっと思っていたが、もしかしたらそれだけじゃないのかもしれない」  織田が首を傾げながら言う。  「公安の動きがあるからそう感じるんですか?」  先ほどの、浜波署での話を思い出す。  「そう。たまには鋭いじゃないか」  一言多いんだって……。雅が顔を顰める。  「公安が意図的に関連性に触れさせないようにしているのか、あるいは、公安が捜査対象としている相手の方が圧力でもかけてそうしているのか、今のところわからんがね」  「どっちだとしてもかなり厄介ですね。大きな権力が関わっているってことでしょう?」  「そうだ。しかし、どんな力が働いていようと、絶対に屈するつもりはない。必ず真実を明らかにしてやる。警察官としての誇りにかけて」  力強く言う織田。雅は「へえ」と驚いてその顔を見た。  こんな熱血な面もあるのか……。  だが織田は、すぐに「にっ」と笑い雅の方を向く。  「今、かっこいいと思っただろ?」  黙れよオヤジ……。  溜息をつき顔を伏せる雅。少しでも感心しそうになった自分が恥ずかしい。  「まあ、それはいいとして……」織田が雅の反応など気にせず続ける。「ここで新たな問題として、先ほどの北見響希君の件をどう見るか、というのがある」  パソコンのモニターをこちらに向けてきた。そこには、2年前の強盗殺人犯に関するデータが映っている。  気を取り直して確認する雅。  「死体の状態は酷似していますね」  「そうだな」  2人とも険しい表情になる。首、両手足が引き抜かれたのか、引き裂かれたと言っていいのかわからないが、バラバラにされている。そして、血液がほとんど残っていない……。
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