僕のわんだふる物語

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 それからというもの、僕は毎日毎日訓練に明け暮れた。  おじさんの言うとおり、訓練はとても厳しくて苦しかった。  けれど、それでも僕は、まひるちゃんたちを思ってどんなに辛い訓練も乗り越えた。  僕にはやるべきことがある。  弱音を吐く暇があったらもっと努力をして、ひとりでも多くのひとの命を救うんだ。  あの日できなかったことを、できるようになるんだ。後悔しないために。  そう、何度も挫けそうな心に言い聞かせて。  そして僕はとうとう、いくつもの難しい試験を突破して、本物のレスキューになった。  災害現場でひとつ、またひとつと命を救うたび、僕の胸を支配していた罪悪感が取り払われていくようだった。
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