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世界一美しいゴブリン
地下の薄暗い牢屋。いくつもの牢があり、その中の一つにつやつやの緑色の肌、青い瞳、真っ白な歯のゴブリンがいた。
ぎぃぃぃぃ。
鉄の扉が開き、一人の老人が十数名の人の見物人たちをゴブリンのいる牢屋に案内した。
老人がゴブリンに言った
「あいさつをしろ!」
「こんにちは。僕は人間とゴブリンのハーフで、今はここで暮らしています。皆さん、よろしく」
おおお!と、ゴブリンが人間の言葉を話したことに対しての驚きの声があがった。
見物人の一人の老婆が言った。
「この、美しいゴブリンをわたくしに売ってくださいませんか? お金はいくらでも出しますよぉ」
「ずるいわ! 私に売ってください!」
「俺に売れよ! なぁ? いいだろ!」
老人は少し唸ってから老婆に売ることにした。
老婆はゴブリンと自分の四女を結婚させて、二人の間に美しい子供が生まれた。さらに密かに末の娘や、三女との間にも子供を作らせた。皆、美しかったという。そして子供たちはそれぞれ金持ちや高貴な家の人と結婚し、老婆も娘たちもその子供たちも今までよりさらに裕福な生活を送れるようになった。
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