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丸投げ
「ううゥむ、わかった。とにかく咲耶ちゃんの面倒は藤丸先生に一任しよう」
校長先生はボクに丸投げした。
「えェッボクにですか?」
また問題児をボクの六年Z組へ編入させる気か。ボクは副担任だが、担任の先生が体調不良のため自宅療養しているため実質、担任のようなモノだ。
しかも問題児ばかりのクラスに、今度はとびっきりの問題児の咲耶を加入させる気なのか。果たして忍ばない! 忍者の咲耶がクラスメイトに馴染めるのだろうか。はなはだ疑問だ。
「ううゥむ、悪いが、藤丸先生に頼んだよ」
万城目校長も打つ手がないようだ。
「いやいやァ、ムリですよ。丸投げですか。校長先生」
ボクは頭を抱えそうだ。
「フフゥン、伊賀の影丸。頼んだわよ」
咲耶は上から目線でボクに話しかけてきた。激励のつもりなのか、ポンポンと肩を叩いた。
「あのねえェ。伊賀の影丸じゃなくって、伊賀野藤丸だから。ボクの名前は!」
出来るならちゃんと覚えて欲しい。
「そうだ。クラスのイジメっ子は闇から闇へ葬り去っても構わないのかしら?」
咲耶はとんでもない事を言い出した。手に持った自撮り棒でライブ配信をしているようだ。
「そんなのダメに決まってるだろう。闇から闇へ葬っちゃァ。いくらイジメっ子でも」
まったく先が思いやられる。
甲賀忍者というヤツは。
栗と同じなのかもしれない。
どちらもイガ(伊賀)が厄介だ。
おあとが宜しいようで。
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