Siriの穴

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Siriの穴

「いやァどんな支離滅裂な身の上話しなんですか」  明らかに作り話しだろう。  聞いているだけでボクは頭が痛くなってきそうだ。 「『Siriの穴』での激しい修行で多くの仲間たちが果てていったのよ」  咲耶は思い返すようにつぶやいた。 「ふぅむ、Siriの穴で果ててしまうのか?」  万城目校長も真面目な顔で聞き返した。 「いやいやァ、校長。それ以上は聞かないでください」  ボクは慌てて話しを遮った。だが咲耶はボクの心配を他所(よそ)になおも続けた。 「そうよ。ジィジ、甲賀の女忍者(くノ一)は『(アワ)の島』での過酷な修行で性も根も使い果たすのよ」 「ぬうゥッ、まさか『(アワ)の島』って、ソープラ○ドのことなのか?」 「いいえ、ソープラ○ドとは一切関わりのない殿方たちの憧れの楽園にして、夢のパラダイス。それこそが甲賀の『泡の島』、夢の桃源郷の異名を持つ『ソープのラ○ド』なのよ」  咲耶は真面目な顔をして説明をしていた。 「なにを真剣に校長先生に語ってるんですか。なんなんだ。夢の桃源郷のソープのラ○ドってッ?」  すぐさまボクはツッコミを入れた。 「その泡の島で、甲賀の女忍者(くノ一)はジィジを転がすため、ありとあらゆる手練手管(てれんてくだ)を会得しなければならないの」 「どッどんな手練手管だよ」 「甲賀の女忍者(くノ一)は性の奥儀、四十八手を使って、この()の国を牛耳る永田町の長老(ジィジ)たちを次々と骨抜きにしていくのよ」 「どこのジィジを次々と骨抜きにしてるんですか。ムチャクチャ言わないでくれよ」  ボクも黙っていられない。 「ほほォ、咲耶(サク)ちゃんはそんなにお年寄りとも交流があるのかな?」
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