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ジジィ転がし
「ほほォ、咲耶ちゃんはそんなにお年寄りとも交流があるのかな?」
万城目校長は優しく声を掛けてきた。
「そうね。特に永田町の派閥の長と呼ばれるジィジたちとは切っても切れないほど、深い仲なのよ」
ニコニコしてうなずいた。
「ほォ、そんなに深い仲なのか?」
万城目校長も苦笑いを浮かべた。
「おいおい、なにが深い仲だ。どんな仲だよ。勘弁してくれェ」
ボクは眉をひそめ頭を抱えた。
「フフッ、永田町のジィジどもは皆咲耶様の手の平で転がして上げてるわ」
手の平で転がすようなジェスチャーをして説明した。
「転がすな。永田町のジィジを。いや、長老たちを!」
慌ててボクは訂正した。なんて怖ろしいヤツなんだろう。聞いているだけでも悍しい。
「永田町のジィジたちも咲耶の手練手管のテクニックで骨抜きになってるのよ」
「ほほォ」万城目校長も感心していた。
「あのねえェ」
ボクは開いた口が塞がらない。
「見てらっしゃい。近いうちに永田町のジィジを二、三百人ほど手懐けて甲賀のくノ一が倭の国を牛耳るのよ。ホォッホホホォ」
咲耶はとんでもない野望を語って高笑いをした。まるで悪役令嬢のようだ。
「わァわァ、わかったからそれ以上、おかしなことを言うなァーッ!」
ボクは悲鳴を上げて話しを遮った。
「フフッ、校長のジィジもいっちょう咲耶様の手の平で転がしてやろうか?」
咲耶は子猫を扱うように顎の下を撫でた。
「フォッフォフォ」
校長先生も目を細めて満更でもなさそうな様子だ。
「コラコラァ、撫でるな。校長先生のアゴの下を!」
なんて横柄で厚顔無恥な美少女なんだろう。
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