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本作品は『官能小説』と言う性質上、過激な性描写を彷彿とさせるラブシーンがありますので、あらかじめご注意下さい。(拝)
「ポリネシアンセックス?」
頭にハテナを浮かべて首を傾げる絢音を、藤次はキュッと抱きしめる。
「絢音……今生理やろ?そやし、ワシセックス我慢すんの嫌やし。せやから、ネットで見つけたこのやり方、試してみよかなて。」
「ん?」
差し出されたスマホの記事を、絢音はしげしげと見つめる。
「5日間かけてじっくりするセックス。挿入は1日だけ。残りの4日は愛撫のみ。ただし、最低でも1時間じっくりする……ねぇ。」
いろんなやり方あるのねーと感心する絢音の身体を抱き上げベッドに寝かせると、藤次はチュッとキスをする。
「な?してみたない?ギリギリまで我慢した後に訪れる、最高の快感……」
「そ、そりゃあ、藤次さんがしたいなら私……でも、我慢嫌いの藤次さんが、できるの?」
ねぇと問いかける絢音に、藤次は愚問とばかりにニヤリと笑う。
「合法的かつ合理的にお前とヤれるなら、なんぼでも我慢したるわ。ほな、1日目……しよか?」
「う、うん…」
そうして、1日目はパジャマの上からお互いの身体を触り合い、抱き合って眠りに落ちた。
*
「ん……ん……」
ーーー2日目の夜。
背中をキスで愛撫され、絢音は甘い吐息を漏らす。
「あっ!」
「なんや……ココええんか。へぇ……新発見やな。覚えとこ。」
チュッと、彼女が一際声を上げた部分にキスをして、藤次は無防備に投げ出された絢音のか細い脚を持ち上げキスをしていく。
「やっ、ダメッ、そんなっとこ…ッ!!」
脚にキスなど、普段は絶対しないのに……
戸惑う自分の気持ちを読み取るように、藤次は呟く。
「なんや……お前、えろう敏感なんやな。今まで手ぇ抜いてて損やったわ。もっと、感じて……」「あ、あぁ……」
とめどなく全身にキスを落とされ、自分の知らないツボを開拓され乱れて行く絢音を見ていると、興奮が高まり、挿れてしまいたいと言う欲求が込み上げてきて、藤次はナプキンとショーツを僅かにずらして、充血と経血で赤く染まった秘所をうっとりと見つめる。
「早よ此処に、お前ん中挿れたい。奥の奥まで……せやけど、我慢我慢。」
「と、藤次さん……」
気持ちは同じなのか、挿入を求めるように腰をくねらせる絢音に優しくキスをして、2日目は互いに昂る気持ちを抑えるような甘い吐息で閉じた。
*
「そない緊張せんでええで?ほら、好きなとこ触ってみ?」
「で、でも…」
ーーー3日目。
今日は立場を変えて、絢音が藤次を攻めてみる事に。
やんわり抱きしめられ、見つめられながら、絢音は藤次に跨り、一思いに唇を首に押し当てる。
「ふふっ、くすぐったい……もっと強う、吸うて?」
「う、うん……」
言われ、チュッと、音を立てて啄むと、藤次の浅黒い肌に浮かんだ、キスマーク。
恥じらいながらも、身体は興奮して、トロリと股が濡れるのを感じる。
「ええ調子。もっとワシの事、知って?可愛い絢音……」
「う、うん…」
髪の毛を優しく撫でられながら、辿々しい手付きながら、絢音は藤次の身体の……性器以外に気持ちいい場所を探し始める。
「フェラは、ダメなのよね?」
「うん。アカン。そやし、疼いてかなんわ。昨日も鎮めんの大変やったんえ?なのにお前は、横でスヤスヤ寝とる。……憎らし。」
「あ!」
ベロリと、藤次の細長い舌で首を撫でられ、絢音は声を上げる。
「と、藤次さんっ!!ダメっ!!きょ、今日は私が……」
「焦ったいから、攻守交代。と言うか、ぶっちゃけ性に合わんわ俺。女に攻められんの。惚れた女を可愛く悶え鳴かせてこそ、男のセックスの醍醐味や……」
「やっ!!待ってそこはっ!……あっっ!!」
脚を巧みに絡めて動けなくされたまま、髪をかきあげられ耳を舌で愛撫され、3日目は絢音の甘い声で更けて行った。
*
ーーー4日目。
挿入セックス解禁まで、あと1日。
ナプキンの経血量がなくなってきてるのを確認して、絢音はトイレを後にする。
「今日は、1日目と同じ、身体触りっこ……」
ポツリと呟き、徐に服の上から乳首に触れる。
「やだ……藤次さんに、我慢できるのって言っておきながら……」
生理中は胸が張るから、極力触らんからなと言われて、一番感じる場所……性感帯には触ってもらえてなくて、知らず知らずのうちに溜まっていた欲求が溢れて来て、トイレ脇の脱衣場に行くと、服の下に細い指を滑り込ませ、乳首をこねる。
「藤次さん……藤次さん……」
甘い息を吐きながら、壁に背を預け座り込み、徐に脱衣カゴの中の……藤次の下着を取り出して匂いを嗅ぐ。
すると、藤次の身体の匂いに混じり、微かに鼻腔をつく本能(オス)の匂いに、絢音の花芯が震える。
「ああ……藤次さん、藤次さん、藤次……」
ーーー時刻は昼下がり。微睡の午後……
通りすがった夢魔に魅入られたかのように、絢音はその細い指先で身体を弄び、愛しい藤次を想いながら、一人淫らに、果てた……
*
ーーー5日目。
挿入セックス解禁日。
ベッドで向かい合って座り、目と目を合わせて心を高めていく。
「好きや…」
「私も、好き…」
優しくパジャマを脱がされ、自分も脱がし、真っ新なシーツに寝そべらせられ、味わうように、角度を変えてキスを楽しむ。
「藤次さん……藤次さん……」
「なんね甘えん坊。そないしがみついとったら、動けんやろ?」
「だって……藤次さんが欲しい。欲しいの。だから早く、来て…?」
「まだあかん。じっくりじっくり、4日かけて見つけたお前の気持ちいいとこ攻めて攻めて、骨抜きにしたる……」
「そんな……あぁ……」
背中に、脚に、指先に、耳に……
自分に向けられる藤次の愛欲を一身に受け、感情は歓喜で高まり、花は震え、今か今かと待ち侘びるように蜜を滴らせてシーツを濡らす。
しかし、これではいけないと、藤次にも気持ちよくなって欲しいと、隆起している性器に触れる。
「私も……したい……」
「ええて。それに……」
「それに?」
潤んだ瞳で見つめられ問いかける絢音に、藤次は照れ臭そうに微笑む。
「今、心底惚れとるお前に口でされたら、幸せ過ぎて出してしまいそうな位、余裕ないねん。せやから……いよいよ中に、挿入ってええか?」
「……じゃあ、せめて私から、挿れさせて……」
「うん。ほな、おいで……」
「……うん。」
そうして、ベッドの上で再び向かい合い、座位の姿勢を取ると、藤次に導かれながら、絢音は彼の……熱を持ちいつもより一回り大きく膨張した性器を、蜜の滴る花芯の入口に充てがい腰を落とす。
「あ…あぁ…」
快楽の声を上げ仰反る絢音を抱きしめながら、藤次は彼女の奥へ奥へと挿れて行き、全て収まると、大きく息を吐く。
「柔らこうて暖かこうて……けど、締め付けてくる。想像以上に気持ちええ。俺、今どうしょうもなく、幸せや。」
お前はと、問うて見つめてくる愛する人に、絢音はフッと視線を外し涙ぐむ。
「なんや……やっぱりこんなやり方、嫌やったんか?」
不安げな顔をする彼に、絢音はポツリと呟く。
「逆。こんな幸せなセックス知ったら、もう、普通じゃ満足できなくなる。それくらい……気持ちいいし、あなたに愛されてるって、いつも以上に感じちゃう。欲深い女ね。私……」
その言葉に、藤次はホッと胸を撫で下ろし、彼女の涙をキスで拭う。
「欲深結構。お前の欲しいが、俺の何よりの活力や。ぎょうさん求めて?なんぼでも応えたるから……」
「ホント?」
子供のようなねだり顔にまたキスをして、藤次は囁く。
「何度も言わせんな。恥ずかしわ。阿呆……」
「ベッドの中の藤次さんでも、照れるのね。」
「当たり前や。お前以上に、毎回恥ずかし思いしてんえ?そやし、さっきも言うたやろ?お前は俺が、心底惚れた女やて。その女の前で、毎夜一糸纏わぬ無防備な姿晒しとんや。分かれや。」
「藤次さん……」
初めて聞けた本音が嬉しくて、自分からチュッとキスをすると、藤次のモノがまた大きくなる。
「あかん。そろそろ、動くな?ゆっくりじっくり、お前の中……お前の気持ちいい場所、見せて?絢音……」
「うん。私も、あなたの先から根元まで、全て受け止める。愛してるわ。藤次さん……」
「うん。絢音、好きや……」
ーーーそうして、激しい騎乗位や後背位ではなく、座位や正常位の姿勢で、互いの感じている顔を見つめ合い、時には口付けを交わし合い、汗の滲む身体の温もりを全身に感じながら、2人はふと、初めて結ばれた道後の夜を思い出し、行為を終えても、互いを繋げたまま、甘い思い出話に花を咲かせ、更ける夜を幸せに過ごしたのでした。
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