共振・共鳴作用(癌・誤嚥性肺炎)

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 「自分の身体なのに、何にも知らないのだね」  「何も知らないから医師がいるのだわ」  「う〜ん。彩の身体について、色々な事を教えてあげよう。ここじゃ狭いから広い場所へ」 「何じゃぁ、この部屋は」  六畳の部屋の真ん中に、背もたれ無しのブルーの椅子が置いてある。    「この椅子は2人用だな。おやぁ~動かせないぞ。彩よ、この椅子に仰向けに寝て」 「これで良いかしら」 「両足を伸ばして上に」  「腰が痛いから、あまり上がらないわ。40度位かな」     「無意識は皆、繋がってる。彩は美容師だよね。お客様が最初、お店に入って来たとき、不潔で髪がプーンと臭った時、厭だなと一瞬思う。その思いは相手に伝わる。触ると倍増する。その時は、その人が30年振りの友人だと思う。脳は仮想と現実の区別がつかない。他人と自分の区別が付かない。そう言う欠点がある。だから相手をけなすと自分をけなしていることになる。自分が誰かに、くすぐられる時、自分で触っていると思うと、くすぐったさが消える。自分は身体が硬いとか根暗とか思うとそうなってしまうから要注意だよ。笑とプラス思考を持とう」  「今から実験をやろう。自分の身体は柔らかいと思う。そして彩の髪を触っている俺は風になる。まず最初に彩の髪に触るか触らないぐらいに大きく3回触る。その後、足を曲げる。これを3回繰り返すとあ〜ら不思議。足が顔の近くまで・・・」 「どうして?」  「相手と無意識が繋がってるからさ。彩の脳は風だと勘違いした結果さ」
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