約束 side絵理子

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約束 side絵理子

「課長、何か……」 「あ、ごめん。食事の邪魔するつもりじゃなかったんだ。」   「い、いえ…… だい……じょ……ぶで……す」 「あのさ……横澤さん、今日仕事終わったら食事に行かないか?」 「えっ……わ、私とですか⁉︎」 「あっ、嫌なら断ってくれていいんだ。その……仕事中はゆっくり話せないから仕事のこととかで悩みとか聞いて相談にのろうかって話で……ホント嫌なら断ってくれてもいいから」  課長から誘われて驚いてしまったけど、どうやら時間外にゆっくり面談をやりたいという話らしい。  慌てふためいてなんだこいつ、自意識過剰じゃないかって思われてないかな? 「あ、大丈夫……です……」 「やっぱりダメだよね……えっ⁉︎い、今、大丈夫って言った?」 「はい……よろしくお願いします」 「あ、こ、こちらこそ。終わったら店で待ち合わせにする?それともここから一緒……」 「あ、別々でお願いします」    さすがに今の課長を狙っている人がいると聞いたので、そんな危険なことできない。 「それじゃ駅前のクランという店で待っているから」 「はい……」  自席に戻っていく課長をぼうっと見送り、ふと時計を見ると昼休みがあと10分ほどで終わることに気付いた。  慌ててお弁当を食べたが、味が全く分からない。  終業時間を落ち着かないまま迎えることになった。
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