そして食事に…… side絵理子

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そして食事に…… side絵理子

「いらっしゃいませ。何名様ですか?」   「待ち合わせなんですけど……」 「太川様ですか?」 「は、はい。」 「お連れ様がお待ちです。こちらへどうぞ」  店員に案内され、通されたのはライトアップされた中庭が見える席だった。 「お連れ様がお着きになりました」  店員の声掛けに課長が立ち上がると私を席までエスコートしてくれた。 「ありがとうございます」 「こっちこそ来てくれてありがとう」 「いえ……」  お互い次の言葉が続かずにいると店員に声をかけらた。 「お飲み物はどうなさいますか」 「あ、横澤さんは何にする?」 「課長にお任せします」 「それじゃワインにしようか」  課長はワインリストを見てスラスラと注文していく。慣れた雰囲気に少し複雑な気分になった。 「「乾杯」」  ワインを飲んでみると癖がなく口当たりがいいのでスイスイ飲めてしまいそうなので、気をつけようと一度グラスをテーブルに戻す。 「好みじゃなかった?」 「い、いえ。課長のことは好みです」 「えっ⁉︎」  驚き目を丸くする課長を見て、自分が何を呟いたのか気付き穴を掘って潜りたくなった。 「あ、あのですね……これはつい口から出ちゃったというか……」 「よ、横澤さんは私が苦手なんじゃ……」 「苦手です。好みのどストライクの見た目に誰にでも優しくて、物陰からしか見れないなんて最悪です」 「最悪ですか……」
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