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そのままのあなたが……
「ところで課長……今日は私にプロポーズするつもりで誘ってくれたんでしたっけ?」
私はまだ舞い上がったままの課長を前に少し落ち着いて来たと思う。当社比20%くらいだから他の人がみたら課長と五十歩百歩ってとこだろうけど。
「その……誘った時に言ったけど、普段ゆっくり話せないから仕事のこととかで悩みとか聞いて相談にのろうかと思っていたんだ」
私はもうここまで来たら全部話すことにした。
「私の悩みですか……そうですね……課長が痩せてしまってストライクゾーンから外れたことですかね。もちろん課長の人柄に惹かれたので嫌いにはなりませんが、残念でなりません。あ、でも課長が今の方が良くて痩せたんですよね。だったら私は過去の課長を思い出しながら課長とお付き合いさせていただ……」
「ちょ、ちょっと横澤さん。ストップ!」
「は、はい?」
「ひとつ聞いていいかな。もしかして横澤さんは太っていた私が好きだった?」
「もちろんですっ。私の理想ぴったりのあのお腹にダイブしたいと何度思ったことか……」
「そっか、そうなんだ。ところで私が痩せた事くらいしか悩みがないなら、体調崩しているのか?横澤さんこそ最近、楽しそうに食べている姿を見ていないし痩せてしまって……」
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