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頑張ってみる side絵理子
課長が好きだから、近寄れない。態度も冷たい感じになってしまう事に自己嫌悪。せめて嫌われないくらいに普通の態度を取りたいのに……
「横澤さん、さっき送ってくれたデータのことで……」
「はい」
課長の席に行き、横からパソコンを覗き込んで説明する。フワッと香る石鹸のような香りが課長らしくて思わずスンスンと匂いを嗅いでしまっている事に気付き、慌てて距離を取った。
「あ、ありがとう。理解できたよ。手間を取らせたね」
「いえ……このくらいのことなら……」
なんでもっと気の利いた返事ができないんだろう。
同期の津田さんみたいな守ってあげたいタイプのかわいい子なら、『それじゃ一緒にごはんでも行きませんか?』ってハート付きで言うんだろうけど、私のキャラじゃないし……課長にそんなこと恐れ多い……
せめてポチャ子は卒業して人並みにならなきゃ課長の横で仕事以外の話をする資格はない。
今まで以上にダイエットを頑張ろうと決めた。
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