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2ヶ月の努力 side絵理子
毎日の食事に気をつけ間食を控え、運動をするためジムに入会した。
担当トレーナーは細マッチョなイケメンさんで、ほかの利用者からは羨ましがられたが、生憎私の好みのタイプから外れているので気にしていなかった。
今まであまり運動をして来なかったから、最初は筋肉痛で身体が悲鳴を上げたが、それを乗り越えると身体を動かすことが楽しくなってきた。
「絵理子ちゃん、だいぶ絞れたね」
「ありがとうございます。佐竹さんのおかげです」
「よかったら今度……」
「これで好きな人に告白できそうです」
「あ、そうなんだ」
ジムの鏡に映る自分を見る限り、だいぶ自分で納得いく体型になれたと思う。痩せたのに胸はあまり減らなくて目に見えてというほど服のサイズダウンが出来なかったのは残念だけど……
あまり胸だけ強調されるのは嫌なので、いままでと同じ服を着ていたため、会社では「少し痩せた?」くらいの反応しかされていなかったが、告白する勢いをつけるためにも今の私にピッタリサイズの服を探しに行こう。
ジムの帰りにいままで入る服がなくて素通りしていたファッションビルに足を踏み入れていた。
「何かお探しですか?」
いままで来たことがないかわいい服が並ぶ店に気後れしていたところに声をかけられ、ビクッと肩が揺れた。
「あ、あの……私にも入るワンピースってありますか……」
「お客様はお胸がありますから、選択肢は狭まりますがお好みのものが見つかるまでお手伝いさせていただきますね。」
「ありがとうございました。」
店員にあれこれ勧められて、ワンピースだけでなくトップスもスカートも何着か買ってしまった私は、かなり大きめの店のロゴ入りショッパーを手に帰宅の途についた。
明日はこのワンピースを着て、課長を食事に誘うんだ。
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