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「えっ、おまえ、はるかってなまえなのか?」
「そうだよ」
「マジかよ。おれもおなじなまえだぜ」
「なまえ、はるかっていうの?」
「おう」
「……」
それが私、矢上春花と谷古宇悠の最初の出会いだった。
小学校の入学式の日、五十音順に座った席が隣同士で机に貼られていた名前シールを見て谷古宇くんが声をかけて来たのだ。
シールには平仮名で名前が書かれていたから本当に同じ名前なんだと思った。
「なんかうんめいてきだな!」
「!」
にっこりと笑ってそう言った谷古宇くんにドキッとした。
(? なんだろう……胸がざわざわする)
その時に感じた気持ちが私の初恋だったということに気が付くにはまだ早過ぎる歳だった。
以来私と谷古宇くんはよく話をする一番の仲良しになった。
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