代読と呼ばれた男

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代読と呼ばれた男

『来賓祝辞 玉野市長 鶴川俊太郎さま』 「卒業生の皆様、おめでとうございます」  私は、玉野市長の鶴川俊太郎ではない。 「玉野市秘書課の上代(かみだい)と申します。大変残念ではございますが、本日市長は所用のため出席 することがかなわなくなってしまいました」  これが私の仕事である。 「市長から祝辞を預かってまいりましたので、私から代読させていただきます」  人は、私を『代読の人=メッセンジャー』と呼ぶ。
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