念写(仮)

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 その日も僕は頭の中をジュンコちゃんでいっぱいにして念写に挑んだ。  ジュンコちゃんと言うのは当時の僕が好きだったクラスメイトの女の子だ。  ジュンコちゃんのあんな姿やこんな姿やスカートの中なんかを頭の中で想像しながら、いつもやっているようにカメラのシャッターボタンを押す。  カメラ本体からフィルムを引き抜き、それをぶんぶんと振る。振ったからといって早くに写ったものが見られるわけではないとは知っているけれど、とにかく振った。
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