念写(仮)

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 僕を含めて、その場にいたみんなは明らかにがっかりした顔をした。  理由は当然、鎌なんて写ったって仕方ないと思ったからなんだろうけど、いや、よく考えてみれば誰が見ても鎌だとわかるものを念写したって凄くない?  とにかく、その時には誰からも「スゲー!」なんて言われることもなく、当の本人も写っていたものが恋するジュンコちゃんとはまったくもって関係のない鎌だったことで盛りあがることなどないまま僕の念写は成功した。  しかし、まさかこのあとに、あんな悲劇が起こるとは誰が想像しただろうか。
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