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「大牙くんのおじいさま? 私、美園蘭子と申します」
「あ、あぁ、これはこれは……美しいお嬢さんで。よければ後ほど少々味見させていただいてもよろしいか?」
「いいわけねーだろ!」
やっぱエロジジイじゃねーか。
「そうだ大牙、貴様! 何をバカなこと抜かしておった!? 人を食う約束はどうした!」
「食わねーよ! 人なんか犬も食わんわ! 俺は蘭子さまの犬として生きるの!」
「バカもの! 我々人狼の宿命を知らんのか!?」
「な、なんだよそれ……」
「人狼はな、16歳までに人を食わんと大層苦しんで死ぬことになるんじゃ」
「……は?」
聞いてねーーーーよ!!
つまり、俺はこのままだとめちゃくちゃ苦しんで死ぬってこと? 初耳にも程がある!
「な、な、な、な、なんだよそれ! 人を食わねーとじいちゃんが俺を殺すんじゃなかったのか!?」
「そりゃワシの愛情じゃ! かわいい孫が苦しんで死ぬくらいなら一思いにヤってやろうと思ったんだ!」
結局俺には、殺すか、死ぬか、そのどっちかしかないのかよ。無理。無理。そんなの無理!
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