7話 遊撃空母スペクター

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しかし一方のリュウセイはその状況に陥ったとしても全く物怖じする様子はなかった。 「穴が開くだって?じゃあアンタのクレーターみたいな顔も銃に撃たれたのか?」 「ほぉ〜!この後に及んでまだ減らず口を叩くようだなぁ〜?苦し紛れのハッタリをいうのはよせ!」   「ハッタリかどうか…”自分の目で”確かめな」  リュウセイがそう言った途端、建物の電気が即座にブラックアウトする。屋内は一瞬暗闇となる。    リュウセイはその刹那、チコの母親を抑えていた帝国兵の脇腹に即座に光弾銃を撃ち込んだ。他の3人の兵士たちもすぐさまリュウセイの発射した光弾の餌食になった。一瞬、暗闇になったことに動じさせる時間すら与えなかった。    空を縦横無尽に駆け回るパイロットの視力は帝国軍の徴募兵などとは比較になるものではない。竜族がいくら高い視力を持っていたとしても、暗い場所での暗視能力及び即座の瞬発力に関してはリュウセイが圧倒有利だったのである。  持ってきた懐中電灯を使い部屋の中を見た。そして人質が全員無事であることを確認するとそこからついに人質全員を誘導し、建物から出すことに成功した。  15人に近い人質たちは帝国軍の目の届かない村の外の森の茂みまで到達し、ついに彼らの管理下から解放されたのである。
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