10章 アアル飛行王国

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   翌日、リュウセイとヴィザールの二人は甲板に出てネロの初の指導を受けることとなった。ライムントに勝つための最大の力「グリット・アーマー」を取得し、破るための修行が開始されたのである。 「お前だけならいい。なぜ俺まで修行に参加する流れに…」   「兄貴の仇を取りたいんだろう?だったらその”グリット・アーマー”を破れるようにならないと。それに力をつければグラニを返してもらえるかもよ?」 「仕方がない。退屈だから付き合ってやる」  グリット・アーマーは帝国軍が開発した最新の技術、自らのエネルギーを竜機の周りに張り、バリアとして展開するための機械である。  バリアは非常に強靭でミサイルや弾丸のような普通の兵器の攻撃は跳ね返し、グリットを用いた攻撃でしかそれを破壊することができない。    しかしリュウセイはその修行にあたってその計画を根本から揺るがすことをネロに教えていなかった。   「言い忘れてたんだけど、俺魔術使えねぇんだ」  「なんだとぉ!?」 「あら、言ってなかったか?」 「魔術が使えないということは…グリットエネルギーも無いということか…?」 「まあそういうことになるわな!」 「魔術が使えない者に…グリットが無い者に…グリット・アーマーを教える…」  多難すぎる前途にネロは頭を抱えた。
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