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先週、私に微笑んでくれたミサキちゃんは、この時もまた、微笑んで、まるで斉藤様が私を指名しても、全く気にしてませんよと言われている様だった。
心が荒んでいた私は、斉藤様の指名は、憂鬱で仕方がなかった。
もしかしたら、ミサキちゃんも指名されるのが嫌で、私を指名して嬉しくて微笑んだんじゃないかとまで、ひねくれて考えていた。
もし、来週も予約される様なことがあったら、ラストで予約してくれないかお願いしよう。
斉藤様の後は、身体が悲鳴を上げて接客する気になれないから。
そんな事を考えながら、また20時に予約をした斉藤様を恨めしく思っていた。
この日も3名の接客をなんなくこなし、ルームメイキングをして別部屋にタオルを取りに行った。
えーーーーーっ!
私は目が点になった。
ドレスがまたタオルの上に落ちて、タオルがぐちゃぐちゃになっていたのだ。
この時は、タオルだけではなく、私の私物まで散らかっていた。
ドレスが落ちるくらいでは、こんな事にはならず、誰かが故意にしたとしか思えないくらい酷く散乱していた。
ガチャッ
呆然と立ち尽くしていた私は、ドアが開く音がして、ビクッとした。
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