ラファエロ

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ユウカちゃんも、タオルを取りに来たんだろうけれど、私の私物が置かれているスペースに目が入った様で、 『えっ?』 何事にも動じなさそうなユウカちゃんも、目を丸くして驚いていた。 『どうしたの?』 「タオル取りに来たらこの状態で……」 『そっか。 ボーイ呼ぼうか?』 いつものユウカちゃんの顔に戻り、素っ気なく言われた。 「自分で片付けるので、大丈夫です。」 私はユウカちゃんに微笑んだ。 『そっか』 また素っ気なく呟いたユウカちゃんは、タオルを持って出て行った。 普段喋る事を禁止されていた私たちは、この別部屋では簡単に会話をする事があった。 今日は暑いねーとか、挨拶程度だけれど。 はぁ…… 誰かが故意にしたのは間違いないよね。
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