ラファエロ

16/28
前へ
/756ページ
次へ
それに、よく見ると、自分で買ったお気に入りのピンクのロングドレスが汚れている。 オレンジ色したこのシミ、もしかしてユリの花粉じゃない!? これ繊維に入りきってるから取れないやん!! 何でこんなとこに…… わざわざ個室からこの部屋まで花粉持ってきて、私のドレスにつけたの!? 信じられないんだけどっ!! このドレス60万円したのにっ!! 心の中に、どす黒い感情の渦が巻き起こる気がした。 許さない。 絶対に。 ミサキちゃんの部屋の前に行くと、鼻歌交じりに歯磨きをしている音が聞こえて、まだ接客中ではないと分かったので、すごい勢いでドアを開けた。 「ミサキちゃんがやったの?」 私は怒りを抑えて冷静に言った。
/756ページ

最初のコメントを投稿しよう!

540人が本棚に入れています
本棚に追加