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「あ、オーナメントの屋台あった」
既製品に混じってフェルトの手作り品なども並んでいる。
「このいびつな顔のトナカイ、俺好き」
「ほんとだ、味があって可愛い」
ふたりはフェルトで作られたトナカイのオーナメントを買った。
隣の屋台にはツリーのてっぺんに飾る星や、雪の結晶、金銀のボールなどが並んでいた。
「あ、キャンディケインあった」
奥にお目当てのものを見つけた。
「赤白の縞々以外にも、ピンクと白とか赤と緑とか、色々ある!」
深結は目を輝かせてそれらをひとつひとつ手にとって眺めた。
「どれがいいの?深結」
「うーん、迷う」
「じゃあ全種類ひとつずつください」
そう言って理玖が会計をして、茶色い紙袋に入ったキャンディケインを深結に渡す。
「はい、深結」
「もうサンタ来た」
深結は嬉しそうにそれを受け取った。
「ありがと理玖」
「どういたしまして。っていうか深結、手冷たい」
理玖はそう言って深結の手を握ると自分のコートのポケットに突っ込んだ。
「冷えちゃったな。ホットワイン飲もうか」
理玖の一連の動作に、周りにいた女子たちがうっとりした。
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