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「あの彼氏さん、めちゃくちゃカッコよくない?」
「K-POPアイドルみたい。顔ちっさ!彼女に優しい男前とかマジ神」
深結はそれを聞いて嬉しくなる。
そう、私の彼はもの凄く優しいイケメンなんです。
「深結、ニコニコしてる」
「うん。嬉しくて」
「チャリ飛ばしてきて良かったな」
夕方4時を過ぎたらもう薄闇があたりを包み始めて、小さなクリスマスマーケットのイルミネーションが一斉に点灯した。
大きなもみの木ツリーのLED電球も金色に輝いて点滅し、人々が自然と周りに集まった。
「綺麗……」
ふたりは紙コップに入ったホットワインを半分こしながら飲み、ツリーを見上げる。
「家に帰ってこのちょっといびつなトナカイとキャンディケインをツリーに飾るのが楽しみだな」
深結は目の前の大きなツリーをうっとりと眺めながら言った。
「俺は家に帰ったらシュトレンとコーヒー飲みたい」
「それには」
「頑張ってチャリこがないとな」
結局、ふたりは一生懸命自転車をこぎ、途中スーパーのタイムセールに引っかかったりしつつ、無事帰宅した。
「桜丘行って良かったね。あそこのスーパーのタイムセールやばかった。今どき卵98円なんて!しかも長ネギ3本も98円なんて!」
「神だな」
「うん、神だね。ちょっと遠いけどまた行こう」
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