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それからふたりはワンルームのリビング兼寝室で小さなテーブルに向かい合った。
「いただきます」
理玖は口いっぱいにうどんを頬張ってその熱さに身悶えた。
「もう、そんなに慌てるから」
「あっふいけど、うま〜い」
熱さから目の端に涙を浮かべながらも全開の笑顔で理玖が言う。
「超あったまる」
「お疲れ様」
深結がにっこり笑うのを見て、理玖は箸を置いた。
「マジ、サンタ来るの早い……」
「なんでサンタ?まだ11月ですけど」
「今日さ、接客中に深結の晩ごはんクイズしたわけ」
接客中に?と深結は思ったが黙って続きを聞いた。
「俺の予想はまぁ発想が貧困だから、魚かな、パスタかなって感じだったんだけど」
「うん」
「唐揚げとかあったらめっちゃ嬉しいな、なんて思って帰ってきたら……」
「なるほど」
「しかも鍋焼きうどん……俺、超好きだし。愛されてるなって」
「良かったね。のびるから早く続き食べな」
「俺、深結のその冷静なところ好きだわ」
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