今日も僕は犬と巫女さんに引きずられている

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「香さんにさ、自分が死んだら1週間以内にあんたが目覚めていなければ、起こして欲しいって言われてさ。面倒じゃん、あんたみたいなお子ちゃまの世話なんて。まあ、顔立ちはいいけれど、さすがに小学生は私のストライクゾーンには入らないからな」  いや、そんな話はどうでもいいんだけれど。起こすって、もう起きていますけれど。 「でさ、面倒だから嫌って言ったら、目の前に行列店のモンブラン出してきたのよ」 「もしかして、そのモンブラン一つで雇われたんですか?」 「不覚だったわ。いくら行列必須の店のモンブランだとしても、ひとつ千円ってとこじゃない。やられたわよ、日給千円の仕事って。あのときの自分の食い意地を呪うわ」  なんだろう。萌さん、見た目は綺麗なのに、なんとなく見え隠れする黒っぽいものはなんだろう。特に腹のあたりが黒いように見える。 「ということで、まずはいけないか」  起こす? 僕も萌さんも寝ているようには見えない。キャラ? いや、キャラも元気に草の中に入って匂いを嗅いでいる。 「私さ、どうも竹と相性良いみたいだからさ、ちょっと痛いよ」  竹? 相性? それに痛いってなに。それらを質問する前に、どこから出したのか萌さんの手に握られた竹の三十センチ定規が僕の背中に叩きつけられた。 「うわぁ、痛そう」 「痛そうじゃなくって、痛いんだけど」 「檀ちゃん、涙目になっているよ」 「そりゃあ、萌さんが思いっきり定規で背中を叩くんだもん」 「萌、怖いね。あたしも叩かれないように気をつけよ」 「うん。その方がいい。キャラもあの人の機嫌損ねないようにね」  ん?  ??  ???  キャラ????
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