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「う〜ん美味しいですねぇ〜。イルミネーションを観ながら大好きな焼き芋を食べる、なんて贅沢なんでしょう」
ー愛屋君が焼き芋好きで良かった〜!ショックを受けさせちゃったから元気づけなきゃと思って咄嗟に出したのが焼き芋だったってだけなんだけどそれがまさかの愛屋君の好物だったなんて超ラッキー!!ってかメモっとかなきゃ!!
フミちゃんは忙しい子だワン。
「あっ野々口さんっ…」
「えっ?」
心のメモ帳に季優君の好きな物リストに焼き芋を追加していたら危うく人にぶつかってしまうところだったらしいワン。
気付いた季優君がフミちゃんのの肩を引き寄せてくれたから助かったって良かったけど…
ー……でえぇぇっ愛屋君が私の肩を抱いていらっしゃるうぅうぅーーーっ!!!!!?
こっちはアウトみたいだワン。
「野々口さんお怪我はありませんか?」
「は、ははははひっらいひょうるれす!(※訳・は、ははははいっ大丈夫です!)」
フミちゃんの目がぐるぐる回ってるワン。これ全然大丈夫じゃないやつだワン。
「人が沢山いらっしゃるからゆっくり観て歩くのも大変ですねぇ。にゃん太君もあちこち行かないように大人しくここに居て下さいね?」
「にゃんっ!(訳・分かってるにゃ!)」
ー ワ、ワァー…愛屋君ッテコンナニ良イ匂イスルンダァー……コンナニ近イ場所デ話シタ事ナカッタカラ知ラナカッタァー…ワァー…ドキドキスルヨーーー……。
「のっ野々口さんロボットみたいな表情になってますけど大丈夫ですか!?」
大丈夫じゃないワン。
「えっ!?私そんな顔してたっ!?ごっごめんっ!!」
「いえっ謝られなくても大丈夫ですけど…あっ!ごめんなさいね、肩触ってしまいまして!」
「えっ…」
ー 嫌だったわけじゃないから大丈夫だよっ!むしろそのままイルミネーション観て歩きたいんですがっ!?
心の中で慌てて言ってる間に季優君はパッと手を離してしまったワン。フミちゃんは がーん と暗くなってしまったワン。
「あっにゃん太君観て下さい。あちらに大きなクリスマスツリーがありますよ〜」
「にゃ〜ん!(訳・本当だにゃ!行ってみたいにゃ!)」
ー ……愛屋君っていつも皆に同じように優しいもんなぁ。肩抱くくらい他の人にもしてるよね?……私だけだったから良いのにって思うのは我儘だよね。
ちらっと季優君の方を見るとにゃん太君と一緒にイルミネーションを見上げて笑っていたワン。
ー ……愛屋君…私、愛屋君が好きだよ?
…フミちゃん。
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