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「でも野々口さんお母様お待たせして大丈夫なんですか?」
「うっうん!メールしておいたから大丈夫だよ!」
ー本当は急だったから何にも連絡入れてないけど多分大丈夫!
それ全然駄目なやつだワン。
きっと今頃携帯にめちゃくちゃ電話入ってるかもしれないワン。
ーだがしかし今愛屋君と一緒にイルミネーションを観れるこのチャンスを逃すわけにはいかないんだよっ!ごめんお母さんっ!!
そうだそうだ、頑張れフミちゃん。チャンスだワン。
「あ、荷物お持ちしましょうか?」
「いいよいいよっ、愛屋君にゃん太君抱っこしてるんだし重くなっちゃうから」
「僕そんなに力無さそうに見えます?」
「そっそんな事ないよっ!うんっ!…えっと……」
「にゃあお(訳・野々口、嘘つけないにも程があるにゃ。嘘でも良いからそこはせめて“ちゃんと男らしいよ”って言わなきゃ季優がますますショック受けちゃうにゃ)」
「わんっ(訳・にゃん太君、そんなにフミちゃんに言わないであげて!)」
ー どうしよっ愛屋君しょぼんってしちゃった…でも何て返せば良かったんだろう!?なで肩だし華奢だし正直あんまり男らし…くはあんまり無いけど素敵だよとか言えば良かったのかな!?でもなんかそれはそれで本人に言ったらさすがにまずい気が……あーっ私何で嘘付けないんだろーーーっ!!?
「にゃあ(訳・だから“ちゃんと男らしいから大丈夫だよ”って言えば良いんだってば!もう知らないにゃっ!)」
「わん(訳・うちのフミちゃんが本当にごめんね)」
「あっそうだ!愛屋君っ焼き芋あるんだけど食べる!?」
「焼き芋っ!?食べますっ!!僕焼き芋好きなんですよねぇ!」
ー焼き芋なんてクリスマスらしくないから引かれるかと思ったけど、愛屋君めちゃくちゃ嬉しそうだから良っかたぁ〜…。
フミちゃん良かったねぇだワン。
やけに目をきらきらさせている季優君にさっきスーパーで買ってきた焼き芋を半分こにしてフミちゃんが渡すと「ありがとうございます〜!」と季優君はにこにこしながら焼き芋をぱくっと食べたワン。
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