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スーパーに向かって歩いていると通りかかった店の中から「会いたいと思う回数が 会えないと痛いこの胸が〜♪」とback numberの“クリスマスソング”が聞こえてワン。
「…ますます愛屋君に会いたくなった…でも会えないから悲しくもなってきた。ってか、付き合ってもないのに彼女でもない人に会いたいって思われてたら愛屋君に良い迷惑だよね…。と言うか今更だけど愛屋君って彼女居ない…よね?多分…。でも実は居ました〜とかだったらどうしよう…!?」
だから何度も言うけど独り言が長過ぎるワン!
「文化祭で行われたライブバトルの時に花屋敷学園の花山院さんとか言うめちゃくちゃ可愛い人に抱きつかれてたし…幼なじみなだけとは言ってたけど…。それに噂じゃ1組の月雪ちゃんにも告られてたとか聞いたけどあれって本当なのかなぁ!?断った?えっ断った…の!?えーーー…どどどどっちどっちぃ!?」
煩いワン。
「なっんでクリスマスに私こんなに心配事増えるんだろう…えー…どっちなのかなぁ???どっちだと思うヒマワリ!?」
知らないワン。
back numberの曲が流れてる店の前で蹲って考え始めたフミちゃんを呆れながら見ていると「俺的にお勧めはこっちぃ」とクリスマスカラーのリボンが付いたココアクッキーの詰め合わせが入った袋が目の前に差し出されたワン。
驚いて顔を上げると頭に少し雪が付いた優人君が「おはよ…じゃねぇな、こんばんちー…って感じ?あっ、こんばんちってこんにちはとこんばんはを掛け合わせたやつね」と笑ったワン。愛内優人君、彼は季優君の幼なじみで大親友の男の子だワン。
「じゃあこんばんちー…です?」
「野々口さんこんなとこで蹲って何してん?腹痛いの?」
「あっ…ううんっ、何でもないよ」
ー優人君が季優君の親友であっても季優君の恋の行方が気になって考え込んでたなんて口が裂けても言えやしないよ!!
わ"…。ついにフミちゃんの心の声まで聞こえてくるようになっちゃったワン。
フミちゃんは立ち上がってスカートを直すと「愛内君は買い物?」と聞いたワン。
「夕飯買いに来た」
優人君は片手にほか弁の袋を持っていたワン。
そう言えば優人君の両親って海外を中心に仕事してるからほとんど家では1人だって前に言ってたような気がするワン…。
ー寂しくないの?ってつい聞きたくなっちゃうけど、私何かが心配したところで『心配させてごめんな?』って何だか逆に愛内君に気を遣わせてしまうかもしれないし、聞かない方が良いよね?
うん、そうした方が良いと思うワン。
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