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「俺昨日きーちゃんと電話しながら観たんだけどきーちゃんは大吾郎と夕飯食いながら観てたんだって。銀鱈の西京焼き食ってたとか言ってたな」
「へぇ美味しそうだねぇ」
ーええっ愛屋君 銀鱈の西京焼き食べてたの!?私も昨日同じの食べてたんだけどっこれって運命っ!?
なんの運命だワン?そして心の声が煩いワン。
「野々口さんは?」
「わ、わわ私は…ハンバーグ…」
えっ、ハンバーグ?昨日はシャケの塩焼きじゃなかったかワン?
「良いねぇ」
ー咄嗟に出た嘘がさっきのバカップルの今晩の夕飯だなんて何か屈辱…。
何で嘘ついたワン?
ーシャケの塩焼きなんて安上がりねって思われたら嫌だもんね。
見栄張ったのか?だワン。シャケだって今安くないんだからシャケに謝れだワン。
フミちゃんは悶々としてるようだったワン。優人君と並んで歩いてると「やだぁ!プレゼントとか超嬉しいっ!イルミネーションも観れるしハッピー!」と本日お会いするのがこれで何度目になるか分からないあのバカップルがよりいちゃつきながら私達を通り越して行ったワン。
ーあの人達何で私の側に毎回現れるのよ!?
さすがにこんなに出くわす回数が多いと私も苛立ってきちゃうワン。
「う"っわ"…彼女出来てもあんなべたべたはしたくないわー…」
「愛内君もイルミネーション観に行くの?」
「行かない。何が悲しくて野郎1人でリア充に混ざってそんなの観なきゃなんないんだよ。そう言う野々口さんは?」
「私も観に行かない…かな?」
「へぇ。じゃあ一緒に行く?」
「えっ?」
「冗談でーす。野々口さんと2人で観に行ったりしたら怒られるっつの」
「誰に?」
「内緒。じゃあ俺バスで帰るから、また来年…ってか大晦日 学園長ん家で会おうな!ヒマワリもばぁい」
バァイだワン。
「あっちょっと愛内君っ!怒られるって誰に!?」
優人君は私をわしゃわしゃ撫でるとバスに乗って帰ってっちゃったワン。
「優人君って結構人の話し聞かない人だよね…。まぁ別に良いんだけど…。あっ!スーパーで夕飯の材料買わなきゃならないんだった!」
優人君と話しててすっかり忘れてこっちまで来ちゃったワン。また並木道の方に戻んなきゃならないなぁ。
「……はぁ、今日はとことんついてないや」
フミちゃんはため息ついたワン。
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