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「……ありがと」
「お、いいねぇ。その微笑み」
真緒がスマホカメラのシャッターを押した。写真の中の私は、どんな笑顔を見せていたのかな。
「ね、真緒。晩ごはんはここで食べない? もうお腹ペコペコでしょ」
思い切って誘ってみる。不思議と、真緒とクリスマスを祝いたい気持ちになっていた。
「おやおや、菜々さん。ハッピークリスマスオーラに感染しましたか?」
ニヤニヤ笑いの真緒。本心が読めない。
「あ、真緒はこういう雰囲気は嫌だっけ?」
「え〜どうして? 実は、マフラー買う時に、美味しそうなお店をいくつか見つけちゃってさ。私もすっかりクリスマスモードになっちゃいました。行こう行こう!」
照れ笑いを浮かべながら、真緒は私の手を引いた。
「な、何?」
「菜々さん、ちっちゃいから。手繋いでないとはぐれるよ」
「子どもか! そんなにちっちゃくないってば」
「いやいや、クリスマスに浮かれる奴らをナメちゃいかんよ。じゃあまずは、あのお店からね!」
意外とノリノリな真緒と手を繋いで、賑わうクリスマスマーケットへと足早に向かう。
美味しい食事の後は、私も真緒にクリスマスプレゼントを贈りたいな。ここには、可愛いお店もたくさんあるしね。
もしかしたら、今までの人生で一番のクリスマスイブになるかもしれない、そんな日曜の夜だった。
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