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喫茶店『*HANABATAKE*』
とある街の大通りから少し脇に入った商店街の一角にある、喫茶店『* HANABATAKE *』。
ペットと訪れることができる喫茶店だ。
白い漆喰の壁と黒い瓦の屋根は、土蔵をリノベーションしたと想像できる。
和モダンな内装の、ジャスが流れる落ち着いた雰囲気の店。
カウンター席には若い男性が1人、本を読みながらコーヒーを飲んでいる。
カウンター横では茶色の柴犬と白猫が寛いでいた。
「七那さん。ごちそうさま。お会計よろしくー」
カウンターに座っていた男性が席を立って、寛いでいた白猫に声を掛ける。
「桃、帰るよ」
桃と呼ばれた白猫がにゃあ、と鳴いて男性の足にすり寄る。
「はーい、ありがとうございました」
笑顔で対応する女性は花畑七那。
ここ『* HANABATAKE *』を経営者だ。
「桃ちゃん、翔吾さん、また来てね」
七那は、笑顔で1人と1匹に手を振った。
――リーン、チリンチリン……
ドアの開閉にと共に、澄んだドアベルの音が鳴った。
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