1人が本棚に入れています
本棚に追加
後悔なんて
俺の名前は鈴木翼。
大学の友達と同じ会社に勤めている。
…いや、勤めていたの方が正しいだろう。
この会社は高校くらいのときから「入りたい」と思っていた会社で、就活初めて結構経ったとき、その夢が叶った。
…でも、そんな会社をこの前クビになった。
最近、ミスが多いって。
自分でもわかってた。
自分の周りはいわゆるエリートばっかだ。
こんな俺じゃ、追いつけるわけがない。
大学の友達、想(そう)も俺とは比べものにならないくらい頭が良い。
…もう疲れた。
エリートばっかの会社なんて、俺には似合わない。
…今、俺は思い出の詰まった公園のブランコで、子供みたいに泣いている。
この公園は、大学のサークルの集合場所に使っていた。
…あのときに戻りたい。
毎日のようにみんなで笑って、はしゃいで、ふざけて遊んでいたい。
そう思えば思うほど涙が溢れ出す。
「おい。」
―――!
この声は…
「なーに公園で泣いてんだよ。子供か?大人気ない。」
想だ。
「来てくれたんだ。」
「ここがわからないとでも思ったか?」
「…ううん。きっと、想ならわかってくれるって信じてた。」
「当たり前だろ。んで、どうしたんだ?」
「…知ってるだろ。クビになったんだよ。」
「仕事どうすんだ?お前一人暮らしだし、実家遠いだろ?」
「…どっか別の会社で1からやり直すよ。」
「ほんとにできんのか?」
「…わかんない。」
「んー。まあ、頑張れよ。応援してるよ。」
「…」
「…なぁ、翼。」
「…」
「こんなとこで後悔してる場合じゃねーぞ。人生の良し悪しは最後の日に決まるんだから。ここで転んでたらまた走り出せないだろ?頑張れよ。」
想が出口に向かって歩きはじめる。
「…想!」
「………どした?」
「俺、絶対立ち上がってみせる!また、前みたいに仕事して、お前を超えてみせる!」
「…期待してるよ。」
最初のコメントを投稿しよう!