後悔なんて

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後悔なんて

俺の名前は鈴木翼。 大学の友達と同じ会社に勤めている。 …いや、勤めていたの方が正しいだろう。 この会社は高校くらいのときから「入りたい」と思っていた会社で、就活初めて結構経ったとき、その夢が叶った。 …でも、そんな会社をこの前クビになった。 最近、ミスが多いって。 自分でもわかってた。 自分の周りはいわゆるエリートばっかだ。 こんな俺じゃ、追いつけるわけがない。 大学の友達、想(そう)も俺とは比べものにならないくらい頭が良い。 …もう疲れた。 エリートばっかの会社なんて、俺には似合わない。 …今、俺は思い出の詰まった公園のブランコで、子供みたいに泣いている。 この公園は、大学のサークルの集合場所に使っていた。 …あのときに戻りたい。 毎日のようにみんなで笑って、はしゃいで、ふざけて遊んでいたい。 そう思えば思うほど涙が溢れ出す。 「おい。」 ―――! この声は… 「なーに公園で泣いてんだよ。子供か?大人気ない。」 想だ。 「来てくれたんだ。」 「ここがわからないとでも思ったか?」 「…ううん。きっと、想ならわかってくれるって信じてた。」 「当たり前だろ。んで、どうしたんだ?」 「…知ってるだろ。クビになったんだよ。」 「仕事どうすんだ?お前一人暮らしだし、実家遠いだろ?」 「…どっか別の会社で1からやり直すよ。」 「ほんとにできんのか?」 「…わかんない。」 「んー。まあ、頑張れよ。応援してるよ。」 「…」 「…なぁ、翼。」 「…」 「こんなとこで後悔してる場合じゃねーぞ。人生の良し悪しは最後の日に決まるんだから。ここで転んでたらまた走り出せないだろ?頑張れよ。」 想が出口に向かって歩きはじめる。 「…想!」 「………どした?」 「俺、絶対立ち上がってみせる!また、前みたいに仕事して、お前を超えてみせる!」 「…期待してるよ。」
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