0.プロローグ

1/1
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ

0.プロローグ

『あのさ⋯咲希、僕と⋯付き合ってください!』 中学1年生の春、太陽の光が優しく降り注ぐ図書室の裏階段で、大好きだった人に告白された。 『いいよ⋯、よろしくお願いします!』 そう言って、差し出されていた右手を優しく握ると、 無邪気に笑う君の姿や手から伝わってくる温もりが、私の鼓動をより一層早くさせた。 そして、夏の日差しが強くなり、2年生のクラス替えを惜しんでいる頃、 『大事な話があるの⋯私と別れて欲しい。』 こうするしか無かった⋯。 せっかくカレカノになれたのに、噂が広まってお互いが傷ついた。そして⋯悲しんだ。 だから約束していた映画館デートや手を繋いだりすることも叶えてあげる事が出来なかった。 ⋯それでも君は、まだ私を好きでいてくれている。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!