1.入学式

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
式の後、私達、1年2組の生徒は教室へと移動した。 小学校の頃とは全然違い、机の数が多い。 中を見回しながら自分の席を探した。 すると、窓側の2列目の所に私のネームプレートが貼ってあった。 近くの席の人、仲のいい友達だったらいいな〜。 と、考えながら席に着く。すると、後ろの席の人から話しかけられた。 「やっほー、咲希。席、前後だねー。これから、よろしく!」 璃子ちゃんが後ろにいる! めっちゃ心強いよ〜。 「うん! よろしくね!」 なんやかんやで良い席かもしれないな〜。 これからの学校生活に心を踊らせながら、私は窓の外を眺めた。 空は快晴で、雲一つない綺麗な青空が広がっていた。 まるで、私達を歓迎してくれているように。 「では、皆さん前を向いてください。」 新任の男の先生が、教卓から指示を出している。 「改めまして、今日から一年二組の担任をする事になりました、安田和也です。」 優しそうで礼儀の良い人だなぁ〜と思った。 「僕は、クラスを持つのは初めてです。皆さんと同じ一年生の様な感じなので、お互いに支え合って一緒に頑張っていきましょう。」 「はーい!」 ✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽✰⋆ 席に着いてから、私は辺りを見回してあの人を探している。それは、好きな人...。 私には、小学六年生の時から好きな人がいる。 その人の名前は、ー松岡琉生。 運動神経が良くて、優しくて、かっこいい。それに、話してて楽しくて、可愛い一面もあるの! 最初は⋯、同じ苗字という事に運命を感じていたのかもしれない。 けれど、隣の席になってよく話すようになってから私は、琉生を好きになっていたんだ。 でも、一つだけ苦しいこともあった。それは、私の大親友の悠が琉生と幼なじみみたいな感じで仲がいいこと。 彼女は、私が琉生の事を好きということを知っている。なのに、彼の話を楽しそうにしてくるから胸のモヤモヤが膨らむ…。 それに、今回悠とクラスが離れたことに安堵している自分がいる。最低だ…。 「はぁー。」 しかも、今まで1度も告白経験無いし、彼氏が出来た事もない。 そんなことを考えると思わず、ため息が出てしまった。 なんで、こうも恋愛運が悪いんだろうか⋯。 まぁ、仕方ないよ。だって、可愛くないし...面白みの欠片もないから⋯。 (もー、こうなったら絶対に、アオハルを謳歌してやるんだから!!) 琉生をチラッと見ながら、私はこの目標を達成してみせると決めた!! ☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!