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式の後、私達、1年2組の生徒は教室へと移動した。
小学校の頃とは全然違い、机の数が多い。
中を見回しながら自分の席を探した。
すると、窓側の2列目の所に私のネームプレートが貼ってあった。
近くの席の人、仲のいい友達だったらいいな〜。
と、考えながら席に着く。すると、後ろの席の人から話しかけられた。
「やっほー、咲希。席、前後だねー。これから、よろしく!」
璃子ちゃんが後ろにいる!
めっちゃ心強いよ〜。
「うん!
よろしくね!」
なんやかんやで良い席かもしれないな〜。
これからの学校生活に心を踊らせながら、私は窓の外を眺めた。
空は快晴で、雲一つない綺麗な青空が広がっていた。
まるで、私達を歓迎してくれているように。
「では、皆さん前を向いてください。」
新任の男の先生が、教卓から指示を出している。
「改めまして、今日から一年二組の担任をする事になりました、安田和也です。」
優しそうで礼儀の良い人だなぁ〜と思った。
「僕は、クラスを持つのは初めてです。皆さんと同じ一年生の様な感じなので、お互いに支え合って一緒に頑張っていきましょう。」
「はーい!」
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席に着いてから、私は辺りを見回してあの人を探している。それは、好きな人...。
私には、小学六年生の時から好きな人がいる。
その人の名前は、ー松岡琉生。
運動神経が良くて、優しくて、かっこいい。それに、話してて楽しくて、可愛い一面もあるの!
最初は⋯、同じ苗字という事に運命を感じていたのかもしれない。
けれど、隣の席になってよく話すようになってから私は、琉生を好きになっていたんだ。
でも、一つだけ苦しいこともあった。それは、私の大親友の悠が琉生と幼なじみみたいな感じで仲がいいこと。
彼女は、私が琉生の事を好きということを知っている。なのに、彼の話を楽しそうにしてくるから胸のモヤモヤが膨らむ…。
それに、今回悠とクラスが離れたことに安堵している自分がいる。最低だ…。
「はぁー。」
しかも、今まで1度も告白経験無いし、彼氏が出来た事もない。
そんなことを考えると思わず、ため息が出てしまった。
なんで、こうも恋愛運が悪いんだろうか⋯。
まぁ、仕方ないよ。だって、可愛くないし...面白みの欠片もないから⋯。
(もー、こうなったら絶対に、アオハルを謳歌してやるんだから!!)
琉生をチラッと見ながら、私はこの目標を達成してみせると決めた!!
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