4.テスト/恋模様

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4.テスト/恋模様

季節は、冬に入り12月。恐れていたテスト期間が始まっていた。 それと同時に、委員会活動もスタートしていた。 私は、生活美化委員会でお花の水やりの係をしている。 そこで私は、関わりのなかった男子と出会ったの。 彼の名前は、小野智樹君。 面識は、これが初めてだ。まぁ、多分話すことはあまりないと思うけど…。 「皆、集まってー、今から来年の修学旅行の時に訪れる場所を調べを各班で分担するよ〜!」 リーダーの中井瑞希が、声を掛けてくれた。 私は、決まっていたから友達の松井花音ちゃんと2人で冷たい手を触りあっていた。 「寒いねー! 今日、めっちゃ手が冷えて冷たいー。」 「私もだよー、咲希ちゃん。カイロ持ってくれば良かったねー!」 「だねー、うっかり忘れちゃった。」 と、話してたら後ろから声がした。 「どーしたの?」 あ、智樹君。話、聞いてたんだ。 「あー、手が冷たすぎて動かしずらいなって。でも、カイロ忘れちゃって…。」 あれ、話してるうちに花音ちゃんが瑞希の所に行ってた。 「手、貸して。」 そう言って、手を私の前に差し出した。 「あ、うん。」 その上に私の手を重ねる。 「冷たいな。」 と、言ってギュッと手を握りしめられた。私は、一瞬何が起きたのか分からなかった。 智樹君の体温が伝わってくる。 「あ、手暖かいね! もう大丈夫だよ。ありがとう!」 そう言って、手を離した。 「うん。」 そして、カイロを私に渡してくれた。 「これ、少しだけでも使って? 寒いから、手冷えたら痛いでしょ?」 彼はニコッと笑って委員会活動に戻って行った。不思議な人だなと思った。 ˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩ テスト本番の日はすぐにやってきた。 机を名簿順に直して、座ってシャープペンシルの準備を済ませた。 着席の号令が掛かり、黙想をする。 よし、頑張るぞー!!! 張り切ったのはいいものの…。 やっぱり、テストは難しかった。どの教科も勉強したものの応用が出ていたが全く分からなかった。 結果は、散々だろうなーと思いながらテストを終えた。 「ねーね、どーだった? 今回のテストはー!」 頭のいい未來ちゃんが尋ねてくる。 「もー、最悪だよー。全然書けないんだもん!」 「だよねー、私も空欄が出来ちゃったよ…。」 3回目の期末テストとはいえ、1年生の全てが問題になってるのはキツい。 けれど、実力は出し切れたと思う。 ˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩ それにしても、智樹君は誰にでもあんなに触れるのかな? 正直、琉生以外にあーいうのされたくはなかったけど、意識しちゃうよ…。 ガラガラ、ドンドンッ 先生の足音と同時に、扉が開いた。 「みなさーん!」 「今から、席替えをします。画面に映すので移動して下さい。」 安田先生だ。 やっと、新しい席になる!! 「どこだろ〜?」 あ、璃子ちゃんだ〜。 「そーだね、仲の良い人と近くになれるといいな〜!」 そう言って、画面を見上げる。 …えっ、琉生とすっごく席が遠いよぉ。 と、思ったら智樹君が後ろの席だ…。 えーっと、右は北園晴也。小学校が同じ人で、全然関わりはなかった気がする。 そして、左が斎場櫻ちゃん。とても優しくて、人の気持ちにすごく寄り添ってくれる天使のような子。 前は、加藤エリザちゃん。両親が外国人と日本人の人でハーフらしい。クールで、一見怖そうに見えるけれど可愛らしいところもあって、私とすごく仲良くしてくれる可憐な子。 なんか想像してたのを遥かに上回る席だよー。 「早く、移動させてー。」 ガタガタ、キーッ 机の動く音が教室中に響き渡っていた。 皆、新たな自分のせきの場所へと移動する。 私は、ほとんど端から端に移るから大移動だよー。 「よいしょっと。」 机を動かし終わり、席に着く。なんか気まずいなー。 「じゃあ、今日から新しい席だから周りの人に挨拶してください。」 「智樹君、よろしくねー。」 「うん、よろしく。」 「エリザちゃん、よろしく〜!」 「あ、咲希ちゃん〜! 席、近くなれて良かった。よろしくね〜!!」 「うん!」 「櫻ちゃん、初めまして。よろしくね〜。」 「うん。仲良くしようね!」 「晴也、よろしくお願いします。」 「あー、うん。よろしく。」 全員に挨拶を済ませ、前を向く。色々あるだろうけど、周りの人を頼って頑張って行こう! ˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩
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