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6.告白/想い
あれから、2ヶ月の時が経って3月。春休みまでもう少しの頃。
私は、琉生の事はなんとも想わなくなった。でも、智樹君の事が私の胸にいっぱいだった。
いくら、距離を取っても智樹君は近づいている。それに、晴也にも言われた。
「あのな、お前のこと智樹が好きらしいぞ。」
って。言われなくてもだいぶ前から分かってるつもりだったけれど、心がザワつく。
もう、意識しか出来なくて…。
気が付くと、私は智樹君の事が好きになっていた。
まさか、こんな事になるとは思ってもいなかった。
よく良く考えれば、私達は両思いなんだよね。
なんか、すごくドキドキする。不思議だなー。
でも、もし違ったらそれはそれで切ないな…。
休み時間。智樹君が話しかけてきた。
「咲希、今日の昼休み13時30分。図書室裏まで来てくれないかな?
どうしても、話したいことがあるんだ。」
なんだろう?
もしかして、私の気持ちに気づかれたのかな?
「う、ん。分かったよー!」
なんか、すごく良い予感がする。
「じゃー、また後で。」
と、手を振ってくれた。私も微笑みながら振り返す。
この関係が一生続けばいいのに…。
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ついに約束の昼休みに入った。
私は、緊張でお腹が痛かった。けれど、我慢して図書室に向かった。
心臓がドキドキして止まない。
もー、テンパりそう。まだかな?
と、入口を、見ていたら智樹君が来た。私は、つい隠れてしまった。
けれど、すぐに見つかってしまった。
「咲希、あのさ…。こっち来て。」
と、言われて図書室裏に一緒に向かった。
なんか、この空気気まずいなー。
そして、階段を少し降りた時智樹君の足が止まった。
「あのさ⋯咲希、僕と⋯付き合ってください!」
やっぱり、告白だった。驚きのあまり、フリーズしてしまった。
え、どうしよう。なんて、答えたらいいの?
でも、私も智樹君の事好きな訳だから…。
「いいよ⋯、よろしくお願いします!」
そして、差し出されていた手を握る。
「良かったー。」
と、優しく笑いかけてくる智樹君はかっこよかった。
帰り道、私は何を話せばいいのか分からなくてずっと黙っていた。
やっぱり、気まずい…。
しばらく歩いて、やっと教室に着いた。
そして、どうしようもなく、席に着いた。でも、ずっと智樹君は私の目の前に立ち続けている。
少し、1人になりたいんだけどなー。
そういうところは、やっぱり言いたくなるけれど、言えない。
だって、私が言う事の出来なかった事を勇気出して言ってくれたんだから。
これからの、学校生活はどうなっていくのかな?
不安と嬉しさの入り交じった昼休みだった。
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