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0.プロローグ
『あのさ⋯咲希、僕と⋯付き合ってください!』
中学1年生の春、太陽の光が優しく降り注ぐ図書室の裏階段で、大好きだった人に告白された。
『いいよ⋯、よろしくお願いします!』
そう言って、差し出されていた右手を優しく握ると、
無邪気に笑う君の姿や手から伝わってくる温もりが、私の鼓動をより一層早くさせた。
そして、夏の日差しが強くなり、2年生のクラス替えを惜しんでいる頃、
『大事な話があるの⋯私と別れて欲しい。』
こうするしか無かった⋯。
せっかくカレカノになれたのに、噂が広まってお互いが傷ついた。そして⋯悲しんだ。
だから約束していた映画館デートや手を繋いだりすることも叶えてあげる事が出来なかった。
⋯それでも君は、まだ私を好きでいてくれている。
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