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恩人さま
ユリウス・ベリル
「僕の事は良いんです。
あなたの事を聞かせてください…」
ユリウスさまは
カップを、両手に持ち直す…
わたし
メリリャ・ジュエリス
「わ、わたしの…こと…」
小さくため息をついた
ユリウスさまに、まっすぐ見つめられる…
恩人さま
ユリウス・ベリル
「さっきは、なぜ…あんなことを?」
わたしは、飲みかけの
ティーカップに視線を落とす…
わたし
メリリャ・ジュエリス
「…」
また、小さくため息が聞こえる。
恩人さま
ユリウス・ベリル
「話したくないのなら…
別に、それでも良いのですが。
僕は…君のことを
もう少し、深く知りたい…」
…っ///
わたし
メリリャ・ジュエリス
「そんなこと言ってくれたのは
あなただけです…//
実は、わたし…10年前に
その…姪っ子を、殺めてしまって…」
ユリウスさまは、椅子から立ち上がり
その椅子を、もう少し近くに
持ってきてから、座り直してくれた。
恩人さま
ユリウス・ベリル
「なにか、理由があったのだろ?」
わたしは頷く…
わたし
メリリャ・ジュエリス
「それが…」
わたしは、姪っ子に言われた事や
殺めるまでに至った経緯を説明し
今回は、甥っ子までも
殺めそうになった事を話して
どうして飛び降りようとしたのか…
彼が、知りたい事は全て話した。
恩人さま
ユリウス・ベリル
「なるほど…それは、辛かっただろうな
実家なのに居場所が無い…そんなの、不運すぎる。」
真摯になって、わたしの話を
静かに、最後まで聞いてくれた!
すごく、温かい気持ちが…
わたしの冷めた心に、流れ込んでくる//
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