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じゅうぶんに罰を受けた
わたしは、閉じ込められていた
地下室からようやく出され
お姉さま、今度は男の子を
出産したらしくて
10才になった、甥っ子を
今…この実家に連れてきてる。
お姉さまは41歳、夫婦円満で
うまくいってるらしい…
35歳のわたしは、男性経験も無いまま
実家で…すっかり箱入り娘になってしまい
今は、足腰が弱った
お父さまの介護を手伝ってる…
今は、また…あの日のように
リビングで、窓辺の1人がけ用ソファーに座り
10年前と同じように
10,000ベリル紙幣を広げて眺めてて…
ふと、背後に気配を感じて振り向く。
甥っ子
「ねえ、おばさま…それ、おかねだよね?
ぼくにちょーだい!
それだあれば、おもちゃとか
おかしとか…いーっぱいかえるんだ!」
わたしは、10,000ベリル紙幣
2つに折り、胸の間にしまう。
わたし
メリリャ・ジュエリス
「だーめ、お母さんに怒られちゃうよ~」
わたしは、ソファーから立ち上がり
あの日と同じように
自分の部屋に向かおうとしたんだけど…
甥っ子
「おばさんのケチ!
おかね、いっぱいあるんだから
すこしぐらい、ちょーだいよ!
だから…っ」
わたしは、甥っ子を睨みつけていたけど
すぐにお姉さまが入ってきて
自分の息子を抱き上げ、睨み返してきた…
お姉さま
「…」
わたしは、その場の
空気に耐えられなくなって
靴をはいて、実家を飛び出す!
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