🌫️現在(10年後)🌫️

3/4
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
だめだ、もう… 同じ過ちは繰り返したくない! 誰にも愛されない わたしはきっと、死んだ方がいいのね。 いつも、自分の部屋から見ていた あの湖上の廃洋館の最上階から 満潮の時に飛び降りれば、きっと… 今なら…潮が引いてる今なら あの洋館に行ける! 無我夢中で、森の中を駆け抜け どこをどう進んだか分からないまま 目的地に、たどりついた! ? 「まったく…なぜ、僕が… 廃洋館の様子を見に行かないといけないんだ。 さっさと売れば、管理しなくていいのに ここの洋館だけは…ずっと行ってないけど お気に入りだなんて… いまさら、言われてもなあ…ん?」 干潮で、現れた道を駆け抜けてると ブツブツ言ってた誰かが 追いかけてきた気がしたけど そんなのは気にせず 洋館内の階段をかけ登る! わたし メリリャ・ジュエリス 「もうすぐ…もうすぐ…もうすぐ 満潮になる、そうすれば!」 急がないと… 最上階まで階段を登りきり 開いていた、部屋に飛び込み 窓を開いて…その、バルコニーに出て 手すりをまたぎ、その先にある わずかな足場に立ち、満潮になるのを待つ… c6d7a87f-85bb-4c88-b1a3-c2287a5aa15d 潮が、満ちてきた。 この高さなら、間違いなく…わたし、は…っ わたし メリリャ・ジュエリス 「わたしが…いなくなれば お姉さまも、甥っ子も… お母さまにもお父様にも 迷惑をかけずにすむ…」 潮が満ちたのを見計らい 両手を広げ、飛び降りようとした時だった!
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!