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「・・・・・・」
完全に意識が無くなった彼女を数分の間、見つめていたユリはもう二度と命が戻らないと理解するや否や、堰を切ったように流れ出た嗚咽と大量の涙。
自分を置いて逝ってしまう事へ少しでも罪悪感を持ってほしくなかったから、少女の掌には血が滲んだ爪の痕が後悔と。
「ごめんね、ハナ。私にはこんな形の別れしか思い付かなかった。
もし、私達にもあの世があるのなら、そこではきっとまた一緒に!」
そっと彼女の額に口付けし、開いたままの目蓋を優しく触れて閉じさせる。
その亡骸を名残惜しそうに強く抱きながら、ユリは今まで出したこともない大声を空に仰がせた。
「最後まで守ってあげられなかった。
こんな情けない私だけど、本当に申し訳無いけど、身勝手な願いを言って良いなら──」
既に彼女も限界を迎えていた。意識が薄れ、力尽きていく最中、ユリはハナの亡骸へ覆い被さる。
力を使い切り、その状態のまま最期の一言と共に停止した。
「また逢いたい」
澄んだ夜空には少女の願いが乗せられた流れ星が暗闇に溶けていく。
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