ランディの人生相談

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「何で。何でこうなっちゃったの。ずっとハルトのこと推してきたのに。毎日動画流して、CDもグッズも毎日チェックして買ったのに。時間もお金も全部ハルトに捧げてきたのに、何? 何熱愛とか余裕ぶっこいてんの? アイドルのくせに自由に恋愛できるとか甘すぎるでしょ。ファンを何だと思ってんの? 「愛してます」って言ってた、あれ何? ウソ? ウソなの? それだったらもう結婚詐欺と一緒だよね。あいつ詐欺師だよ。詐欺師だったんだよ。だまされた、私ずっとだまされてたんだ。あいつ、「愛してます」とか言って陰で私たちのこと笑ってたんだ。最悪、最悪すぎる……くっそぉ、許せない。許せないよ。私からハルト取ったら何が残るっていうんだよ。何も残んないよ。もう何もない。空っぽだよもう、私」 「天野」さんは、そのままスカートに顔を埋めた。「天野」さんの髪はところどころミルクチョコレート色で、ウェーブがかかっている。風がそよぐと、お花のいい匂いがする。腕には野花のような甘いパステルのシュシュをつけていて、間違ってチョウチョがシュシュの上に止まった。  ガバッ。  突然「天野」さんが起き上がったので、チョウチョが慌てて逃げていく。
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