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「私、この思いを竹尾くんに伝えてくる。ハルトの分まで、この想い、大切にするんだ」
ランディ、またね!
チョコレート色の髪を軽やかに翻して、「天野」さんは行ってしまった。少しだけまだ残っているお花の香りを、ランディは次に「天野」さんが来る時の分まで、思いっきり吸い込んだ。
「これ、こいつの大好物なんだよ」
「へぇ〜」
歯についた甘辛い粉を、口の中でベタベタなめる。
数日後、次に来た時は、「天野」さんと「竹尾」さん、二人お揃いだった。「竹尾」さんはこないだくれたお菓子をどんどんランディにすすめてくれるけど、ランディは一回水を飲みたいので、二枚食べたあとはじっと口をつぐんでいた。
「お腹いっぱいか?」
「竹尾」さんはじゃあ、いる? なんて言いながら「天野」さんとそのお菓子を食べ始めた。
「この後どうする?」
「テスト終わったしね。どっか、行きたいとこある?」
「そーだなぁ。とりあえずお腹すいた」
「じゃあ、何か食べよ」
「こないだできたお店行かない?」
「あっいいよ?」
二人で何やら昼飯の相談をしているらしい。気温もずいぶん高くなり、汗ばむくらいだ。
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