会社の彼女

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会社の彼女

今は閑散期 大きなプロジェクトが一つ終わって、チーム内はちょっと待ったりムード。 午後はみんなそれぞれちょっとした雑務をしたり、予定のチェックをしたりしている。 俺は—。 花巻さんを眺めている。 なんかノーパソとにらめっこしてる。 こないだ背景の色のセンスで悩んでたから、 多分カラーモデルとか見てるんだろうな。 眉間にしわ寄ってるし(笑)。 あ、眼鏡拭いてる。 飽きてきたかなぁ。 キーボードをポーンとはじいてだるーんて足を投げ出す。 おぉ、春木君に絡まれてる。 最近は春木君のかわし方もうまくなってきたなぁ。 春木君がいなくなると花巻さんは、時計を見てデスクの引き出しを開けた。 そしてにっこりする。 なんだろう? 引き出しから離れた花巻さんの手には、お菓子の小さな袋。 少し回り気にしてる。 もう休憩入れてもいい時間だし、気にすることないのに。 ただPCの前でお菓子はちょっとだめかな。 あれはこないだ部長のお土産でもらったクランチチョコだ。 なんか高校生の早弁みたいにこそこそ食べてる。 リスみたいだし。 あぁかわいい。 あっ、目が合った。 俺はにっこりとほほ笑む。 花巻さんは慌ててお菓子を口にほ織り込んでごみを捨てる。 そして口を手の甲で軽くぬぐって曖昧に笑う。 俺は立ち上がって、花巻さんに手招きする。 花巻さんは不思議そうな顔をした後、促されるままにパソコンをオフにして、 俺の後をついてくる。 休憩室につくと、二人分のコーヒーをカップに入れる。 遅れて休憩室に来た花巻さんに一つ差し出して、 「休憩しよ」 と笑いかける。 花巻さんは一瞬きょどって下を向いて赤くなったけど、 すぐに俺からコーヒーを受け取り、 「は、はい、ありがとうございます。」 と笑い返してくれた。 はぁ、今日も又花巻さんに癒されて、仕事がはかどってしまう。
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