大人の時間

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「なんか、名前を呼んだら、彼女になったって、実感…できたかも…」 俺も俺も! 心の中ではしゃいでいでるけど、 表向きは大人の対応。 「そう?」 「う、うん…」 会社と違って、セットされていない髪の毛にそっと触れる。 みるみる赤くなる和沙。 可愛い。 「でも、なんか…恥ずかしい…」 心の声が駄々洩れで、これもかわいい。 思わずぎゅっと抱き寄せる。 「…!あっ…」 俺の腕の中で小さく丸まって固くなっている和沙の体。 でもすぐに柔らかく俺の腕に体を預ける。 あぁ明日から切り替えるの大変そう。 「たかや…」 「ん?」 「ちょ。ちょっと呼んでみただけです。」 「何それ…(笑)」 内心やばいんだけど! そう言う煽りやめてもらってもいいですか? 「ダメ?」 惚れた弱みというか、 何もかもが愛おしく思えてしまう。 俺自身も知らなかった俺の姿に、 正直お手上げだ。 こんなにも人を好きになれたのは、 和沙だからだ。 こんな気持ちを知れたことは、 本当に幸せだなって感じてしまう。
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