研修社員

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「本日から半年間お世話になります 望月 徳佐です。よろしくお願いします!」 「「よろしく」」 配属された研修社員、望月くんは、 マッシュヘアのイマドキ男子だ。 固すぎず、でも、ちょっと緊張した面持ちで、挨拶をしてくれた。 額を隠す前髪から覗く可愛らしい目と、 小さめの口、よく通った鼻筋。 男の俺でも可愛く思えてしまう。 そうなると、俺は和紗の反応が気になってしまう。 春木くんと、重山さんが教育係に指名された。 文句なしの適材だ。 仕事の覚えもよく、分からないことはちゃんと聞いてくれる。 ほんとに言うことなしの新人だ。 「歓迎会をしたいとおもうんだが、どうだろう?」 10日程たった時に、鏑木さんが提案する。 このご時世、飲みニケーションもパワハラになりかねない。 慎重になるに値する案件だ。 「はい!嬉しいです」 望月くんは満面の笑顔でこたえてくれたので、 チームのみんなも安堵する。 3日後の金曜日に日程を合わせた。 「たかや一緒にいける?」 「うん、もちろんだよ」 まだまだ人見知りな和沙は、 新しい人間関係に戸惑い中みたいだ。 もうほんと、ギュってしてよしよしよしよしってしたい。 でも仕事の話になると、 急にきりっとしててきぱき意見や指示を出す。 そのギャップがまたかわいい。
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